『佐伯祐三展』北海道立近代美術館

 佐伯祐三(1898-1928)。パンフレットに書かれている「この絵は純粋ですか?」という言葉は、佐伯が芸術家としての自分を律するために、しばしば友人に問いかけた言葉に由来している。東京美術学校を卒業した佐伯はフランスに渡り、そこでフォービズムの巨匠ヴラマンクに出会う。そのときに「アカデミック!」と怒声を浴びた経験が、以後の佐伯の絵画表現を一変させることになる。その後一時帰国するものの日本の風景では自分を出せない、と再び渡仏し、数年後30才という若さでこの世を去ってしまう。
 もともと好きな画家である。ペインティングナイフで堅牢に構成された街並みの中にちりばめられた文字の数々。スポットライトを当てたかのように浮かび上がるポスター。絶妙に配置された鮮やかな色彩。画面を引き締める黒。そのどれもが私の心を揺さぶる。
 芸術に突っ走っていた青年画家。濃縮された短い人生。そういう生き方ができたという幸せ。そういう生き方をしたという強さ。それに対して自分は・・・。羨望と嫉妬、不甲斐なさ。佐伯の絵画以外にも色々と考えさせられた美術展だった。

北海道立近代美術館(2009/4/24-6/14)

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。