『タオ-老子』加島 祥造

ちくま文庫。
 「老子道徳経」81章を現代詩として訳したもの。老子の英訳を元に和訳したらしい。エナジー、ライフ、センターといったカタカナが頻出するのはそのせいかもしれないが、文体を含めてちょっと引っかかった。しかし元の漢語文も併記してあるので、まあ良心的だ。そして、全然堅苦しくない語り口なので、読み進めるには特に苦労はない。
 タオ(道)というのは今ひとつ掴み所がない。一体何をもってタオというのかがよくわからない。実際老子の解釈は何とおりもあるらしい。般若心経みたいなものだろうか。何物かではないのは分かる。例えば「飲み食いに贅沢をし金銭を積み上げる」のはタオではない。そういった例が羅列される。そしてタオそのものに言及するときは、たとえ話をもって語られる。「タオの働きにいちばん近いのは水の働きなんだ」のように。
 読み始めのうちは本当に何を言いたいのかよくわからなかった。しかし3分の2くらいを読み進めたあたりから、何となくタオが何物なのか分かるようになってきた。勿論そのタオとは加島氏の解釈におけるタオなのではあるが。とは言ってもタオが何かを説明せよ、と言われてもそれはできない。このような訳本や解説書をいくつも読んでその人なりのタオの理解をするしかないのだと思う。体で感じるというか。
 だから、タオに興味のある人は、まずは老子を読んでください。この本でもいいし、他の本でもいいし。無責任ですいません。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。