第64回春の院展

 日本美術院の公募展。すべて日本画である。もうひとつの再興院展に比べてサイズが小さいということだが、それでも縦横1メートル前後の絵は見応えがある。
 私は日本画というものがどういう約束事の上に成り立っているものなのか、まるで知らない。とはいえ、絵を鑑賞するのにそんなことは瑣末なことだと思っている。確かに、技法や出自、時代背景などを知っていると、それらを知らない人とは違う見方ができるだろう。特に宗教画や歴史画などは知識がある方が絶対におもしろい。でも、まずは感じることなんだと思う。好きか嫌いか、心に止まる絵かそうでないか。皆がそんな風に絵を見てくれたら、もっと美術館は繁盛するだろうに、と思う。
 さて本題。どの作品も、画面の隅から隅まで手を抜くことなく精緻に組み立てられている。逆にそれが重苦しく感じられるほどだ。構図の精密さ、筆致の正確さ、色のバリエーションの豊かさ、明暗のコントラスト。時には急激に、時にはなだらかに移りゆく色彩とコントラスト。それに身を委ねるようにたゆたう私の心。このままずっとその世界の中に身を投じていたい、そういう心地よさとは裏腹に、もう少しスパイスが欲しい、という贅沢な思いも頭をよぎる。そんな展覧会だった。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。