『ブルー・オーシャン戦略』W・チャン・キム+レネ・モボルニュ

ランダムハウス講談社。
 筆者は、血みどろの戦いが繰り広げられる既存市場「レッド・オーシャン」を抜け出て、競争自体を無意味にする、競争のない新規市場「ブルー・オーシャン」を創造することが大切だ、と説く。そしてそこに至る道がブルー・オーシャン戦略なのだという。その土台とも言えるのが、バリュー・イノベーション(価値革新)である。「バリュー・イノベーションとは、コストを押し下げながら、買い手にとっての価値を高める状態を意味する」。これは過去において、差別化と低コストとはトレードオフの関係にあると思われていたのとは反対である。そしてこれを実現するために、以下のブルー・オーシャン戦略の6原則が掲げられる。
策定の原則
・市場の境界を引き直す
・細かい数字は忘れ、森を見る
・新たな需要を掘り起こす
・正しい順序で戦略を考える
実行の原則
・組織面のハードルを乗り越える
・実行を見すえて戦略を立てる
そしてこの本は、基本的にはこの流れに沿って話が進められる。シルク・ドゥ・ソレイユの例など、様々な会社、事例が取り上げられており、読み進めやすい。ただの理論だけではなく、それをどのように実行するか、その過程における困難とどう向き合えばいいのか、などについてまで議論されている。過去100年以上にも亘る事例研究に基づくだけあり、かなりの説得力がある。
 このように、本書はとても系統立てられていて、これ1冊でブルー・オーシャン戦略が実行できそうな気にさせられてしまう。確かに私のような一介の会社員が読んでもすぐに役立つ話ではないが(おそらく会社の経営に携われないと、直接的には実行できない)、ちょっとした会議やプロジェクトをうまく進める助けにはなるのではないか。世の中のトレンドを読む際にも、この戦略を頭に置くと今までとはちょっと違った視点から眺められるのではないか、と思う。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。