『マインドマップ戦略入門』塚原美樹

 ダイヤモンド社。(副題)「視覚で身につける35のフレームワーク」。著者はブザン公認マインドマップインストラクター。
 副題にあるとおり、SWOT、3C、5Forces、VRIO、AIDMAなど、35ものフレームワークを、マインドマップを使って説明している。あとがきを読むと、著者はフレームワークよりもマインドマップを紹介したくてこの本を書いたように受け取れる。
 しかし、この本はおもしろくない。それぞれのフレームワークについてマインドマップが載せられているが、それがいかにも取って付けたようで陳腐な例ばかりなのだ。それにトニー・ブザン公認だというのに、マインドマップの作り方が腑に落ちない(私の問題かもしれないが。判断は読者に任せる)。著者はフレームワークという「構造」を、放射思考の長所を活かしたマインドマップという「ツール」で表現するということについて、考察が足りなさすぎるのではないか。例えばMECE(ミッシー。Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive。もれなくダブり無く)に分けられた3C(Customer、Competitor、Company)のようなものを三つのメインブランチで表現する、というのはわかる。しかしバリューチェーンのような構造を持ったものを、主活動・支援活動をごちゃ混ぜにしてすべてをメインブランチにぶら下げてしまう神経がよくわからない。フレームワークを使いながら、その構造をぶっ壊すにはそれなりの根拠が必要だと思うのだが、著者はその辺のことをしっかり考えた上でやっているようには見えない。
 以上、過激(?)に批判したが、この本を手放すつもりはない。だって35個のフレームワーク事典としては使えるんだもの(マインドマップの使用例を参考にする気はないが)。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。