『True Love Don’t Weep』James Hill & Anne Davison

 2009年。ジェイムス・ヒルとアン・デヴィソンのデュエットアルバム。ジェイムスはカナダのウクレレプレイヤーで、超絶技巧で有名。アンはチェロ奏者。二人は人生のパートナーでもある。アルバム全体はカントリーやブルースの曲(ブルーグラスと言った方がいいかもしれない)でほとんどが占められており、歌ものも多い。
 私は彼の日本デビューアルバム『Fantasy For ‘Ukulele』(2005)を所有しているが、全く音楽の方向性が違う。そのせいで私は今回のアルバムを聴いたとき、かなり戸惑った。期待していたのとは全く異なるアルバムだった。デビューアルバムにはカントリー系のミュージックは取り上げられていなかったのだから。この変化はアンとの出会いのせいかもしれないし、そうではないのかもしれない。ただ、この数年間でジェイムスの中で大きな変化が起きたことだけは確かだ。
 技術的には相変わらず高いものを持っている。でもそれが嫌味ではなく音楽にしっかりと溶け込んでいるのがすごい。ウクレレのアルバムとして聴くのではなくカントリーアルバムとして聴くのなら、そう悪くない。ウクレレとチェロの相性は意外に良い(そういえばジェイク・シマブクロも『Across The Universe』の中でヨーヨーマのチェロと競演しており、なかなか良い味を出していた)。歌ものも二人の息のあったハーモニーが印象的だ。これはジェイムスのアルバムではなく、ジェイムスとアンの二人のアルバムなのだ。その点成功していると言っていいだろう。
 ちなみに個人的に一番気に入ったのはインスト曲である4『Ode to a Frozen Boot』である。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。