『Portraits』村治佳織

 ポートレイツ。2009年。彼女のアルバムは全て持っているが、今回のアルバムでは何か一皮むけたような感じがする。肩の力が抜けて好きなように弾いているのだけれど、ある一線はきちんと保っているというような、まさに論語の「七十にして心の欲する所に従えども 矩を踰えず」の境地だ。村治のアルバムはいつもはっきりとしたテーマがあるのだが、今回はアルバム『CAVATINA』に似たコンセプトなのだと思う。『CAVATINA』に入っていた『サンバースト』が今回再登場して、18『イントロダクション~サンバースト』となっているのも偶然ではあるまい。色んな人がこのヨークの曲をカバーしているが、私はやはり村治佳織バージョンが好きである。坂本龍一、クラプトン、ビートルズ、ヨークなど、現代楽曲から取られた曲がほとんどを占めるが、その中にショパンやシューマンの曲も散りばめられていて、飽きない。静かすぎず、賑やかすぎず、バランスが良い。1『戦場のメリー・クリスマス』で始まり19『イン・マイ・ライフ』で幕を閉じるなんてイキではないか。
 今挙げたものの他に好きだったのは、2『タンゴ・アン・スカイ』、3『ティアーズ・イン・ヘヴン』、4『ジョンゴ』、9『シークレット・ラヴ』辺り。『ティアーズ・イン・ヘヴン』はアレンジの良さも光り、特に良い。15『一億の祈り~映画『火垂るの墓』実写版より』のトレモロも聴きどころである。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。