『Dreaming of Revenge』Kaki King

 2008年。カーキ・キング。大好きな女性ギタリストである。
 マイケル・ヘッジスとプレストン・リードから影響を受けたタッピング&ヒッティング系ギタリストとして知られている。小さな身体には不釣り合いなほど大きなオヴェーション・アダマス(Ovation Adamas、ギターのブランド)を抱えて指板の上下から豪快にギターをうならすその姿は、デビュー当時大きな話題を生んだ。曲もソロギターのものが多かった。
 このアルバムはそういった初期のアルバムとは一線を画している。いや、正確には徐々に今の姿に変化してきた、と言った方がいいだろう。滑らかなコードワーク、斬新な音選びはまだまだ健在であるが、初期の頃のようなテクニックを前面に出した曲はほとんど無い。歌モノ4曲を中心に構成された壮大な環境音楽といった趣である。決してうまいとは言えない歌なのに、昔のスザンヌ・ヴェガを彷彿とさせる木訥(ぼくとつ)とした語り口、まだ幼さの残るその声は十分に存在感がある。まだ成長期を脱していない少女を感じさせるその歌は不思議に魅力的だ。2『Life Being What It Is』、8『Saving Days In a Frozen Head』なんかがいい。ソロギターの曲ではタッピングが美しい9『Air and Kilometers』が印象的。とはいえ、このアルバムはアルバム全体から滲み出てくる雰囲気が何とも言えなく良いのであって、私にとっては個々の曲はどうでもいいというのが事実ではある。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。