『COCOLO』Herb Ohta, Jr.

 2009年。ハーブ・オータ・ジュニア。「’UKULELE J-BALLADS」との副題が付いている。つまりこのアルバムはウクレレによる日本のバラード集というわけだ。1『TSUNAMI』、4『夜空ノムコウ』、5『元気を出して』、6『涙そうそう』のようなJ-POPの有名どころを集めている。
 彼はウクレレの神様と呼ばれるオータ・サン(ハーブ・オータ)の息子である。彼の奏でる優しく甘い音色は、ナヘナヘ(美しく優雅)と称されている。このアルバムでもコアロハ・カスタムモデルのウクレレからその称号に恥じない歌声(ウクレレの)を聴かせてくれる。その音はバラード向きでもあるのだろう。
 ただ、かなり原曲に忠実であるせいか、実際のところ編曲が直球勝負過ぎて少し物足りない。11『HUI ‘ANA』や12『A THOUSAND SPRINGS』はジュニア自身の曲であって彼のメロディセンスの良さが伺われるのだが、他の楽曲にその長所が活かされていないのが残念である。まあ、原曲に忠実ということは安心して聴けるということの裏返しでもあり、そういった観点からこのアルバムを聴くというのであれば別に悪くないのかもしれない。ウクレレの音色は良いし。
 個人的にはジュニア自身の作った曲が好きである。

 余談ではあるが、ハーブ・オータ・ジュニアはローGチューニングを使っている。ふつう日本で売られているウクレレは最初からハイGチューニングになっていることが多い。ハイGとローGの違いはウクレレの第4弦(構えたとき一番上にくる弦)の違いである。ローGは第3弦のC音よりも低いG音であるが、ハイGはそれよりも1オクターブ高いG音を使うので、第3弦(さらに第2弦)よりも高いチューニングとなっている。ハイGの方が低音成分が少ないのでカラッとした感じがするが、逆にソロを弾くときは低音が無い分やりにくさを感じる人もいる。そのせいか、ハーブ・オータ・ジュニアの他、ダニエル・ホーやジェームス・ヒルもローGを基本にしている。ジェイク・シマブクロはハイGである。でもそれぞれを使い分けている人も多い。
 前置きが長すぎた。そんなこんなで日本で売られている楽譜はハイGのものが多いのだ。それに対してこのアルバムの楽譜はローG用なので、あ、いい、と思ってつい買ってしまった。メロディが主体なので指使いは易しい。この楽譜のいいところは、ウクレレのコード・ダイアグラムも載っているところである。いろいろと遊べる。以上、余談でした。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。