『思考の整理学』外山滋比古

 ちくま文庫。「東大・京大で1番読まれた本※2008年大学生協調べ」と帯に書かれている。私が学生の頃からこの本の存在は知っていたが、「今更」読んでみた。
 次のような件(くだり)がある。「人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。」。そしてこの本では当然のごとく飛行機能力を伸ばすには・・・という方向で話が進められる。そんな風な肩肘張った始まり方をしている割には、大して堅い話をしているわけではない。もっとざっくばらんとした本なのだ。途中で矛盾したようなことも述べているし。気軽なエッセイとして読むのが正解なのだろう。
 エッセイとして読むのならおもしろい。アイデアは寝かせるものだ、アイデアはむやみに人に話すべきではない、といったような話には、思い当たる節がある。ほかにも忘却あるいは情報を捨てることの重要性など、示唆に富むものは多い。
 知識や思考について、このような考えを持っている人が存在するんだ、ということは、もっと早く知るべきだった。ちょっと変な言い方になるが、それならもっと安心して暮らせたのに、と思う。私をサポートしてくれている、という意味で。もしかするとこの人がアナログっぽい雰囲気をぷんぷんとまき散らせているせいなのかもしれない。アナログ的なやり方は性に合うのだ。どんなに時代遅れと言われようとも。

amazonで見てみる

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。