『書体を読む。』七種 泰史

 さいくさやすし。ソシム。副題「デザイナーのための「文字」の参考書」。
 良くできた本だ。見せ方がうまい。既存書体の説明を手堅く行ったあとは、それらの書体を使った使用例が示される。そして手書き文字をフォントにする工程や、著者の書体を作るやり方などを、ものすごくわかりやすく説明している。事細かに、というのではなく、あくまでポイントだけを押さえる点が、本書の読みやすさにつながっている。後半は様々なフォントデザイナーや会社のフォント、そして気になるロゴタイプやタイポグラフィの紹介に充てられている。単に書体を並べるのではなく、大小様々なタイプフェイスを絶妙に並べるやり方がうまい。これが単なる書体の紹介に終わらない理由なのかもしれない。
 この本で紹介されたフォントの中では、著者の「はるひ学園」、佐藤英夫の「ニューシネマB-D」、豊島晶の「晶(あき)」が気になった。タイポグラフィでは林規章の作品とか。会社で言えば、これまでモリサワのフォントに強く惹かれていたのだが、字游工房のフォントも洗練されていていいな、と思った。
 この本を読んだら、フォントを作りたくなってしまった。実は私は第2水準までの漢字をひたすら手で書いて作った「さき」というフォントをパソコンに入れているが、あまりにも私の字そのまますぎるので、フォントとしてはどうかな、という気がしている。もっと統一感のある使用に耐えうるフォントをいつか作ってみたい。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。