『わたしのかけらたち』植村花菜

 2010年。6曲入りのミニアルバム。

 CD屋の前を通りかかったときに、まっすぐにこちらを見つめるギターを抱えた植村の視線と、横に大きく手書きされた『トイレの神様』という文字が気になり、つい購入してしまった。
 私は音楽市場に疎いので、この『トイレの神様』(6曲目に入っている。DVDも同梱されている)が巷(ちまた)で話題になっているのは知らなかった。いわゆるジャケ買い。でもこのアーティストのことを知れて良かった。奇を衒(てら)わない自然なメロディが柔らかいアコースティックギターに乗せて流れてくる。あまり歌詞を聴くことのない私の耳に歌詞とメロディがずっと残る。曲によって声質が異なる中で、私は1『猪名川』(いながわ)、6『トイレの神様』の2曲の声がとても好きだ。この2曲は曲調もメロディもすべて気に入っている。
 「トイレにはそれはそれはキレイな女神さんがいるんやで」。この言葉を横糸に、私とおばあちゃんとの物語が切々と歌われる『トイレの神様』は、10分近くもある長い曲だが、それを少しも感じさせず最後まで聞かせてくれる。少し直球勝負すぎる感のある物語ではあるが、それを駄作にしないで大きな作品にしてしまうところに力量を感じる。
 日本のポップスシーンで好きになったアーティストは絢香以来かも。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。