『「砂糖は太る」の誤解』高田 明和

 講談社ブルーバックス。副題「科学で見る砂糖の素顔」。
 砂糖は太る。砂糖は糖尿病の原因だ。砂糖と摂りすぎるとキレやすくなる。そんな砂糖にまつわる数々の「誤解」を、科学的知見を駆使して解いている。例えば、カロリーの観点、満腹を感じるメカニズム、血糖値を高める仕組みなどから、砂糖悪者説を覆していく。その説明には説得力があって、なるほどと思わせる。
 さらに、砂糖(あるいはその分解物であるブドウ糖)とアルツハイマーとの関係、鬱との関係、疲労の仕組みなどから、ブドウ糖の摂取が身体にとってどれだけ大事なのかについても説明している。脳がエネルギー源としてブドウ糖しか使えないことは重要である。
 著者はこの本で砂糖を中心にした話を展開するが、本当に言いたいことは、「氾濫する食品情報を、冷静になってもう一度科学的に考え直してみる必要がある」ということである。だから本書ではコレステロールの話題も取り上げる。どんなものでも、摂りすぎはもちろんいけないが、だからと言ってまったく摂らないのもだめなんだよ、と著者は諭す。どうも我々は極端な健康情報に踊らされる傾向にあるらしいのだ。
 本書の主旨とはあまり関係ないが、脳の神経伝達物質であるセロトニンはトリプトファンから合成され、そのトリプトファンは必須アミノ酸だった、という事実に今頃気づいた私は、やっぱり鈍くさいのだろうか。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。