『文字の組み方』大熊 肇

 誠文堂新光社。副題「組版/見てわかる新常識」。
 「組版(くみはん)とは、印刷の一工程で、文字や図版などの要素を配置し、紙面を構成すること」(Wikipedia, 20100912)である。本書は、その組版についての解説書である。「タイトルや見出しについて」、「和文本文組み」、「欧文本文組み」、「和文に欧文が混ざった場合」、「その他の資料」に章分けされており、すっきりしている。1ページ見開きで、良い例、悪い例が並んで表示してあり、非常にわかりやすい。
 それにしても、著者の組版や文字に対するこだわりは並々ならぬものがあり、圧倒される。プロとはこういうものなんだ、という意気込みに、こちらはたじたじである。それは私が実際に組版をする立場にあるわけではなく、ただ組版に興味のある一個人であるからなんだと思う。もしも私がその立場にあるのだとすれば、本書に書かれているトホホな組み方はしたくないし、してはならないのだと思う。とはいえ、世の中にはこのようなトホホな組版があふれているらしく、本書はその啓発書にもなっている。ものすごく説得力のある本である。
 思うに、良い組み方をされた本なり雑誌なりを読むとストレスが少ない。そしてそのようなストレスにならない文字組みの裏にはこんなにすごいこだわりが含まれていたんだ、ということを目の当たりにして、頭がくらくらしてしまった。普段こんなことを意識しないで本を読んでいるから余計に。まあ、意識してしまうような本の組版は、失敗か、もしくはすごく意図的な組み方をしているかのどっちかなんだろうけど。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。