シェーグレンの会会報 第19号

 2010年4月3日に行われた平成22年度シェーグレンの会総会の内容と、2009年秋にフランスのブレストで行われた第10回国際シェーグレン症候群シンポジウムの報告が掲載されている。会報そのものは、シェーグレンの会HPにもアップされているので、興味のある方はそちらもご覧いただきたい。
 今年からシェーグレンの会の事務局が金沢医科大学から日本大学板橋病院血液膠原病内科に移った。それに伴って、総会の実施場所が例年の金沢から東京に移った。私もこの総会には出席する予定だったのだが、突然の体調不良によりキャンセルせざるを得なかった。そういうわけでこの会報が出るのを心待ちにしていたところだった。以下、簡単に感想を述べたい。
 なお、このシェーグレンの会は今後NPO法人化する方向で話が進んでいる。

■ミニ講演1「シェーグレンと漢方薬」日本大学血液膠原病内科 野崎高正先生
 ここでは西洋医学と漢方医学の考え方の違いが重要になってくる。シェーグレン症候群というものは、人間の体は全員同じと考えて細胞レベルまで体を分解して考えられた病気であって、これは西洋医学の考え方によるものである。それに対して漢方医学では、体全体をひとつのまとまりとして考え、人間の体は全員違うものとして個別的に病気を捉える。したがって西洋医学の観点から定められたシェーグレン症候群という病気自体には漢方薬は効かない。しかしながらシェーグレンから来る色々な症状に漢方薬は効かないというわけではない。患者の体型や症状別にきちんと漢方薬を使い分ければ、症状の改善につながる。まったくもって当たり前の話だが、この二つの医学の違いを理解していない人は多いのだろうとも思う。

■ミニ講演2「シェーグレンと共に」久藤総合病院 菅井進先生
 菅井先生はいつもシェーグレン症候群を俯瞰した全体的な話題を提供してくれる。今回もその流れは変わらない。私にとって新しい知見は、シェーグレン症候群を「全身性IgG4関連疾患」として捉える新しい疾患概念の提示である。シェーグレン症候群は涙腺と唾液腺だけの疾患ではなく、自己免疫性膵炎や間質性肺炎など全身の様々な臓器に障害を起こすこと、IgG4という免疫蛋白が高値を示すこと、ステロイド治療が非常に良く効くことなどからこの疾患を捉え、日本を中心にして研究が進められているという。

■「だるさとシェーグレン症候群」日本大学血液膠原病内科 北村登先生
 だるさを医学的に表現すると全身倦怠感となる。だるさと疲労の関係、疲労の分類・メカニズム・回復法、シェーグレンとだるさの関連などについて講演したようである。でもこの会報を見る限り、シェーグレンでだるさを感じるのは他の病気(身体疾患および精神疾患)を抱えているからだ、という結論になってしまっているように感じる。実際の講演でどういう風に話が進められたのかは明らかではないが、何か腑に落ちない。私のこのだるさ、疲労は、直接にはシェーグレンのせいではないの?

シェーグレンの会HP

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。