『簿記の考え方・学び方』中村 忠

 税務経理協会。
 まえがきには、この本が初心者向けであることが書いてはある。しかしながらこの本は、今まで全く簿記の勉強をしたことがなく、これから簿記を学ぼうとしている人に向けた本でもない。そういった人には本書の内容は理解できないように思う(頭の良い人は違うのかもしれないが)。少なくとも私は数ページ読んでさっぱり訳がわからなかったので、『超スピード合格!日商簿記テキスト&問題集3級』(成美堂出版)を一通り勉強してから読み始めた。そこまでしてこの本を読む意義があるのがどうかと言えば、「ない」と私は思う。なのにそれをしてしまった私が自分でもよくわからない。単なるバカなのかもしれない。
 閑話休題。本書を読んでおもしろいと感じる人は、日商簿記3級に受かるか受からないかの瀬戸際にいる人以上であって、2級に受かったばかりの人以下なんだと思う。仕訳、借方、貸方、総勘定元帳の読み方すらわからない人は手にとってはいけない。
 本書は、基本的には簿記学習にまつわるエッセイ集である。現代簿記の問題点であったり、海外の簿記教育との比較であったり、簿記の歴史など、様々な話題についての著者の考え方などが述べられている。ざっくばらんに、しかし緻密に。著者の簿記に対する立ち位置は非常にはっきりしているので、読んでいて小気味好い。内容も興味深いものが取り上げられており、文章も論理的ですっきりしている。
 簿記を勉強している途中で、気晴らしに読むような本である。学習者であればおもしろいであろう。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。