『欧文書体』小林 章

 美術出版社。副題「その背景と使い方」。
 著者は、ヘルマン・ツァップやアドリアン・フルティガーとも仕事をしている、ライノタイプ社のタイプディレクター(フォントに興味のある人なら、彼らの名前は聞いたことがあると思う)。
 著者によると、日本で見る欧文組版には素人臭さの残っているものがたくさんあって、外国の人から見ると変なものが多いらしい。例えば日本語で言えば、「ぱ」を「ば」と書いてあったり、行の一番はじめに「、」とか「・」が書いてあったり、というような感じの。せっかくのデザイン大国の日本で、それはもったいないんじゃないの。基本的なところは押さえておこうよ、というのが、この本の趣旨のひとつである。
 この本で書いてある説明は易しい。でも内容はしっかりしている。理路整然としていて、迷いがない。欧文書体の成り立ちや構造、定番書体の特徴と使い方、書体を作る話など、欧文を組む上での基本や四方山話などが丁寧に書かれている。そのため、素人である私にもわかりやすい。良書だと思う。
 ただ残念なことに、私のパソコンにはこの本で紹介されている定番書体がほとんど入っていない。また、特殊文字の入力方法が、マックのUSキーボードでの例しか載っていないのが、惜しい。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。