『デザインの教室』佐藤 好彦

 エムディエヌコーポレーション。副題「手を動かして学ぶデザイントレーニング」。
 私はおそらくこの本から、著者が意図したものの10分の1程度しか自分のものにしていない。実際には手を動かさなかったから(本書には手を動かすための道具としてAdobe Illustrator CS以上に対応したCDROMが収められているが、私にはそれらを扱うパソコン環境がなかった)。さらに言えば本書の中で「この本で扱ったのは、「デザインの半分」です」と述べられていることを考えると、私がこの本から学んだものはデザインの5%ほどである。
 しかしこの5%は大きい。それほどまで、この本はデザインの本質(のひとつだと私は思いました)をわかりやすく説明している。帯に書かれている文言が内容をうまくまとめているので転載すると、この本は「基本的な図形や文字、色による平面構成から、実践的なレイアウトまで。理論+実践で学ぶ、デザインを始めたい人のためのトレーニングブック。」である。とっかかりは鉛筆と消しゴムを並べることに始まり、最終的にはグリッドシステムあるいはそれを超えたデザインのトレーニングまで、コンパクトでありながらも適確な指導を受けることができる。デザインの意図を言葉で説明できることは重要、との記述はいつでも心に留めておきたい。
 個別のレッスンの中では、カラーパレットの作り方、利用の仕方を学んだのは初めてのことで、目から鱗だった。ただ、書体の説明のところに誤植が多かったのは残念だった(今売られているものは直っているのだろうか)。
 本来であれば、手を動かしながら本書を読むべきであろうが、読むだけでも楽しい本。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。