2007年。チャン・シュエン。Zhang Xuan。台湾の女性シンガー。でもアマゾンにはアーティスト名として「Deserts Xuan」と書いてある。なぜだろう。確かにジャケットには「deserts」と手書きで書いてあるが、紛れもなく張懸のアルバムであるはず。
以前購入した張懸の『My Life Will…』(記事)があまりにもよかったので、彼女のアルバムを順番に聴いてみることにした。
やっぱり好きですね。ギターの音(アコギもエレキも)と彼女の声が織りなすアンニュイな雰囲気が、今の気分にぴったりはまる。少し激しめの1曲目「畢竟」から、この世界観に引き込まれた。アルバム全体の印象としては、ノリのよい曲や静かな曲を適度に織り交ぜながらも、全体としてはあまり派手さを感じさせない。キャッチーな曲がほとんどないのも、そういう印象を持った理由のひとつかもしれない。
個人的な好みでいえば、静かめの曲の方が好きです。前作の「寶貝」を思わせる、かわいらしい感じの6「兒歌」。アコースティックギターのバッキングにピアノのエッセンスを利かせた4「親愛的」。語るように歌を紡いでゆく7「模樣」。きれいな旋律が印象的な11「並不」。
5「gonna stop」や8「討人厭的字」のようなノリのよい曲もいいですけど、ただ、どんなタイプの曲であれ、憂いや翳りといったものが感じられる。それが魅力のひとつであることは確かですね。