『西村 和 作陶展』2011札幌三越ギャラリー

 にしむらなぎ。2011年10月11日~10月17日、札幌三越本館9階三越ギャラリー。
 品のいい落ち着いた和室にいるような雰囲気があった。普段使いにするにはちょっともったいない器たち。青みがかった灰色をした素焼きの花入れ。(たぶん)顔料を混ぜた土を使った彩泥の器(へらでかたどったような感じの渋い赤や黒の景色がいい)。象嵌(ぞうがん)の手法で草花をあしらったコーヒーカップや大皿。これらは今までにも見慣れたものだ。その中に、象嵌にちょっぴりアクセントとして赤を入れたものがあり、少し心惹かれた。私が初めて拝見したのは、陶器の上に漆がけをした陶胎漆器(とうたいしっき、陶漆)という器である。星がきらめくように目映いそれらの褐色の急須や茶器は、とても陶器とは思えない繊細さがあった。その繊細さを生かした抹茶茶碗も悪くはなかった(そういえば彼女のつくる抹茶茶碗は初めて見たかもしれない)。同じく陶漆ながら、白銀に輝いていたのは錫蒔陶漆の水差しである。白い漆の合間からのぞく黒い地肌がまたいい。
 一番心躍ったのは、陶漆の建水(けんすい)だ。建水は茶室で茶碗をすすいだときの水などを捨てる器であるが、こんな素敵な建水を左手に持って茶室に入っていけたら楽しいだろうな、と思う(私の好みは渋すぎるかもしれない。展覧会の中では地味な存在だった)。
 ほかに気に入ったのは、赤の混じった象嵌作品、筍文が牧歌的でほのぼのとする平皿、縦のストライプが印象的な木賊(とくさ)文のフリーカップなど。


西村和のHP

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。