『島渡る~Across the Islands~』大島保克

 2012年。おおしまやすかつ。
 大島は沖縄の島歌をずっと作り続けている人だ(でも年はとっていない)。このアルバムは全曲オリジナル曲からなる。本作にも入っている10「イラヨイ月夜浜」は、夏川りみをはじめ、いろんな人がカヴァーしている代表曲だといえるだろう。1「川」、3「まつりのあと」、9「島渡る」なども同じような傾向の曲だ。
 ほとんどの曲に大島の三絃がかぶっており、彼の歌(声)と三絃が、このアルバムの雰囲気を決めている。でもその声は、前作『大島保克 with ジェフリー・キーザー』(amazonで見てみる)に比べて少し老いたように感じる。以前の声の方が個人的には好きかも(ちなみにこの前作はかなりお薦めです。Geoffrey Keezerのジャズピアノが、大島の声と三絃に見事にはまっていて、透明感があってお洒落な雰囲気でいっぱいです。曲は沖縄と八重山の民謡が中心です)。声といえば、鳩間可奈子の高音との絡みが聴きどころの4「来夏世(くなつゆ)」もいい。アルバム全体に沖縄らしさを吹き込んでいる仲宗根”サンデー”哲による太鼓も実にいい。栗コーダーカルテットの近藤研二のギター、ウクレレも落ち着きがある。
 驚いたことにこのアルバムにはHEATWAVEの山口洋と細海魚(ほそみさかな)が参加している。5「流星」のバックで流れているエレキギターは、HEATWAVEそのままだ。彼らがまだ音楽活動をしていることがうれしくなる。
 このアルバム内で一番好きな歌は、いかにも琉球民謡といった感じの6「マンタラ祝(いわい)」、7「与那岡(ゆなむり)<早調子>」、13「与那岡(ゆなむり)」 です。癒される。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。