『シャルダン展ー静寂の巨匠』三菱一号館美術館

 2012年9月8日~2013年1月6日。Jean Simeon Chardin。
 日本で初めて開かれたシャルダン(1699-1779)の個展。教科書的なものに載っているシャルダンは自画像が多いと思われるが、実際には静物画と風俗画を多く描いた。若い頃と晩年は静物画、その間は風俗画を主に描いていたようだ。
 静物画は落ち着いた色合いで、静謐さが漂っている。やわらかい筆致ながら、光と影のバランスがすばらしい。陶器の表情の描き分けも見事である。私の好みからすると若い頃のものよりも晩年の作品のほうがいい。『銀のゴブレットとりんご』、『カーネーションの花瓶』、『木いちごの籠』なんかがいい。
 静物画ももちろんいいのだが、私は風俗画のほうに強く惹かれた。まるでフェルメールが再来したかのような静かな光と影の織りなす世界には、目を奪われる。『病後の食事(別名:思いやりのある看護人)』、『セリネット(鳥風琴)』、『デッサンの勉強』、『良き教育』といった作品に惹かれた。特に後者2つの対作品がいい。『羽根を持つ少女』、『食前の祈り』はレプリカ(?)も展示されており、見比べてみるとおもしろい。そういえば『羽根を持つ少女』もよかった。
 前回東京に来たときに見逃してしまって、心残りだった。今回無理をしてでも見に行った甲斐があった。この展覧会が開かれている三菱一号館美術館の建物も素敵だった。

三菱一号館美術館』東京都千代田区丸の内2丁目6-2(地図)

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。