『ソクラテスと朝食を』ロバート・ロウランド・スミス

 講談社。鈴木晶 訳。原題『Breakfast with Socrates』Robert Rowland Smith。副題『日常生活を哲学する』。
 目覚める、身支度をする、通勤する、仕事をする、サボる、スポーツジムに行く、テレビを見る・・・。そんな日常生活について、錚錚たる哲学者、作家などを引き合いに出しながら哲学してしまう。なんだか難しそう、と思うかもしれないが、やさしい言葉遣いでさらりと書いてあるので、ただのエッセイを読んでいる感じだ。副題と矛盾しているようではあるが、とても哲学してるようには感じない。ここが少し微妙なところだ。本当にたくさんの哲学者の言葉が出てくるのだが、それらの哲学者の思想が前面に出てきているかといえばそうでもなく、どちらかといえば著者の思考の流れにほんのちょっとの色を差しているにすぎないという印象を受ける。こういう本を読むと、取り上げられている人物の関連書を読みたくなる、というのが私のいつものパターンなのだが、この本ではそういう流れには進まなかった。帯には「『ソフィーの世界』の再来を予感させる」などと書いてあるが、それは大袈裟だと思う。私はそんなに引き込まれなかった。
 ところどころ意味のわからない文が出てくる。思想が難解だという面もあるかもしれないが、著者の背景にある文化が私のなじんでいる文化的背景と違うせいじゃないか、という気がした。
 哲学書というよりはエッセイです。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。