『自己評価メソッド』クリストフ・アンドレ

 紀伊國屋書店。Christophe André。高野優 訳。副題「自分とうまくつきあうための心理学」。
 本書は自己評価をよくすることを目的に書かれている。正しい自己評価だとか間違った自己評価だとかそんなことは書いていない。ただ、自己評価をよくして「今までどおりの自分でいて、少し生きやすくなる」にはどうすればいいのかを教えてくれる。よい自己評価とは何か。「高くて安定した自己評価」だと著者はいう。逆に悪い自己評価とは、「低い自己評価」あるいは「高くてもろい自己評価」である。このような悪い自己評価を持つと、自分はだめなヤツなんだと落ち込んだり、他人の欠点をあげつらって優越感に浸ってみたり、他人に攻撃的になったりする。
 成功体験が多かったり、人との関係がよいと、自己評価は高くなる。著者によると、特に後者が自己評価に与える影響が大きいという。人との関係がよくなるためには、自分との関係をよくしなければならない。それには等身大の自分を受け入れることが大事になってくる。「自分の親友になる」、つまりは「親友に対するように自分に接する」との言葉は示唆に富む。
 よい自己評価を持てないとどうなるか。そうならないためにはどうすればよいか。その実践法について丁寧に解説している。すべてを行うことは無理かもしれない。でもそのうちのひとつならできるかもしれない。そうしてひとつひとつの実践をこなしていけば、時間はかかるかもしれないけれど、よい自己評価を持つことができるようになる。そうすれば少し生きやすくなる。それはとりもなおさずちょっと幸せになれるということなのだ。つまりこの本は、幸せ指南の本だったりもする。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。