『いわさきちひろ展』北海道立近代美術館

 2013年4月27日~6月2日。
 好きな画家は?と聞かれたら、頭に浮かぶ数人の中に、いわさきちひろの名前は必ず入る。小さなときから私のまわりには当たり前のように彼女の絵があった。絵本はもちろん、小学校のときの国語の教科書の表紙もそうだったし(教育出版だったと思う)、家のちゃぶ台の上に無造作に置かれていた『子どものしあわせ』(草土文化)の表紙も彼女の手によるものだった(当時)。ぼかしやにじみを多用したやわらかくやさしい彼女の色彩は、まだ小さい私の心にもすーっとしみこんできて、気がつくと絵の世界に自然と入り込んでいった。
 そういえば、いわさきちひろの絵が好きだなんてことを話した記憶は一度もないのに、父がおみやげに月めくりのカレンダーを買ってきてくれたことがあった。それはいわさきちひろがヨーロッパに旅行したときのスケッチをカレンダーにしたもので、その中の『オーデンセ アンデルセンの家』が今回の展覧会にも展示されていて、懐かしい気持ちでいっぱいになった。そんな私が親の手を離れ、初めて行った東京観光の目的のひとつが、下石神井にある『ちひろ美術館』だったことは、自然な流れだったのかもしれない。
 この『いわさきちひろ展』では、『ちひろ美術館』所蔵の130点あまりの作品を展示している。初期の頃から晩年までの彼女の作品の数々に触れていると、思いがけず遠い日の想い出が浮かんできて、それはまるで、いつかきた自分の道にもういちど足を踏み入れてしまったかのようだった。

北海道立近代美術館HP

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。