『Maiden Voyage』Herbie Hancock

 1965年の録音。日本では『処女航海』というタイトルで知られるアルバム。ハービー・ハンコック(piano)、フレディ・ハバード(Freddie Hubbard, trumpet)、ジョージ・コールマン(George Coleman, tenor sax)、ロン・カーター(Ron Carter, bass)、アンソニー・ウイリアムズ(Anthony Williams, drums)。
 初めての航海に出て、無事帰ってくるという物語仕立てになっている。『Maiden Voyage』では、ゆったりと一定のリズムを刻みつつ曲が流れ、航海に出る雰囲気がよく出ている。その後山あり谷ありで進み、最後には『Dolphin Dance』の美しいメロディで幕を閉じる。
 メンバーは他のアルバムでマイルス・デイヴィス(Miles Davis)と組んだりしている人ばかりで、マイルスの代わりにフレディ・ハバードが入ったという感のあるアルバムではある。私はフレディ・ハバードのことはよく知らないが、この作品での彼のトランペットは結構気に入っている。『The Eye of the Hurricane』や『Survival of the Fittest』での颯爽と走り抜けるトランペットの勢いがいい。後者での現代クラシックのようなピアノのフレーズも印象的で、この2曲は耳を引きつける。そしてそのすぐあとに続く『Dolphin Dance』では前曲までの激しさが嘘のように平和が訪れ、その落ち着いた雰囲気に癒やされる。
 アルバム全体の構成が見事で素敵なアルバム。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。