『ロバート・ハインデル絵画展』札幌三越ギャラリー

 2013年5月7日~13日。Robert Heindel。
 会場でスーツ姿の女性に声をかけられた。話しぶりからすると、三越の人ではなく、この絵画展と直接関係のある人のようだった。
「前にもいらしたことがあるんですか」
「はい、生前から好きでした」
そういえば2005年に亡くなってから、もう8年になる。そんなに経つのか。

 30分くらいその女性と話をしながら観ていただろうか。ロバート・ハインデルと初めて対峙したときのことなどすっかり忘れていたが、話をするうちに少しずつ記憶が開けてきて、その場を去る頃にはおぼろげながらもそのときのことがよみがえっていた。それは15年ほど前、まだ札幌駅前に五番館西武というデパートが建っていたとき、そこの赤レンガホールでの展覧会でのことだった。両手を広げたよりもまだ大きい画面の中央に逆光のバレリーナが片脚をあげて立っている絵だったように思う。バレリーナの手から水平に伸びるバーと床に描かれた色とりどりの線が印象的だった。後方に数人のダンサーが佇んでいたような気もする。いや、もしかするとこれは私の思い違いか。何度か足を運んでいる彼の絵画展全体の印象が作り上げたただのイメージにすぎないのかもしれない。
 ロバート・ハインデルはダンサーを描き続けた画家で、「現代のドガ」とも称される。その画面からは、ダンサーという言葉から思い浮かべるのとはまた違った、静謐な雰囲気が漂う。彼の絵によく使われる青の印象、それはラピスラズリそのものなのだが、その青い色がフェルメールの描く少女の絵を連想させ、その静けさとも相まって意外なつながりを感じさせる。
 会場ではロバート・ハインデルの油彩のほか、生前に彼の監修によって作られたサイン入りのリトグラフ、没後に彼の奥さんによって作られたリトグラフ(サインの代わりにバラのエンボスマークがついているが、元の絵はもちろんロバート・ハインデルの手によるもの)など、30点ほどが展示、販売されていた。

札幌三越HP

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。