『日本の七十二候を楽しむ』白井 明大

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 東邦出版。副題『旧暦のある暮らし』。
 日本には七十二の季節がある。1年を4つに分けた四季。それをさらに6つずつに分けた二十四節気。立春とか夏至とかが二十四節気ですね。そしてそれを3つ(初候、次候、末候)に分けた七十二候。この本は、その季節それぞれについて「候のことば」「旬の魚介」「旬の野菜」「旬の行事」・・・といった具合に紹介している。それらを読んでいると、ふだん日常に流されて気づかなかった季節の移り変わりに思いをはせ、日本にはこんなに豊かな四季に恵まれているんだ、という感慨を覚える。添えられている有賀一広の挿絵がまたいい。水彩と色鉛筆で描かれた(と思われる)写実的ながらやわらかい雰囲気のイラストだ。
 でも不満もある。それぞれの季節が新暦のどのくらいの時期なのかは書いてあるが、それに対応する旧暦の日付は書いていない。そして七十二候の表記の仕方。例えば今の季節は夏至の次候「菖蒲華」の頃だが、この本には「菖蒲華さく(あやめはなさく)」と書いてある。漢字3文字の横に「あやめはなさく」と書けばいいと思う。もうひとつ、漢字が少ない。「あんこう」を「鮟鱇」と漢字で書くんだったら、「まぐろ」や「うなぎ」も漢字をつけてほしい。
 とまあ不満はあるけれど、素敵な本だと思います。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。