『シャガール展』北海道立近代美術館

 2013年6月29日~8月25日。Marc Chagall(1887-1985)。
 赤、青、緑、黄、紫、オレンジ・・・。マルク・シャガールとはつまりは色彩なんだ。そう感じた展覧会だった。愛や聖書という精神性もあるかもしれない。構図の巧みさ、ストーリー性もあるかもしれない。一見つたなく見える筆致の不確かさが醸し出す魅力もあるかもしれない。でも結局は色彩なんだ。そう思った。
 その輝く色彩が一番映えるのはステンドグラスにおいてなのだろうと思う。そして会場では実際にそれを見ることができる。『メッス大聖堂内陣北側薔薇窓:シンボルに囲まれたキリスト』である。青を基調とした花の形の断片に、時折オレンジや緑が交じる。光が壁から降り注ぐ。美しい。この作品を見られただけでも来た甲斐があるというものだ。
 この展覧会では、このステンドグラスの他にも、オペラ座天井画のための下絵、バレエ「ダフニスとクロエ」の衣装デザイン、リトグラフなどの版画類、彫刻や陶器など、様々なジャンルの作品が展示されている。しかしやはりその中でも目を引くのは、色鮮やかな油彩の、大きな作品である。青の印象の強い『「魔笛」の思い出』、赤い『ファエトン』、赤、緑、青とカラフルな『サン=ポールの上の恋人たち』・・・。
 そしてこれらの色彩の雨の中で酔いしれたあとは、もう一度作品の前に立ち、それぞれの作品に込められた深いメッセージを読み解いてみるといいのだと思う。

北海道立近代美術館HP

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。