『パスキンの生きた時代』北海道立近代美術館

 2013年6月29日~9月23日。Jules Pascin(1885-1930)。
 「エコール・ド・パリ」と呼ばれた画家集団の一人としての評価をフランスにおいて得ていたパスキン。そんな彼の展覧会が「これくしょん・ぎゃらりい」で開かれている。実は北海道立近代美術館はパスキンを多く所蔵していることで知られており、たまにこのブルガリア生まれの画家の展覧会を開く。淡い色彩で描かれた、まどろみの中でけだるい様子をしている裸婦たち。パスキンといえばそういった油彩が思い浮かぶのだが、今回は聖書を題材にしたものや、素描、水彩、版画などいつもとは違った切り口の作品も展示されている。新約聖書からの『良きサマリア人』では、褐色や橙色を基調としながらも彩度の高いカラフルな色使いをしており、その奥行きのあるやわらかい雰囲気に心惹かれる。他に興味深かったのは、彼が10代の終わり頃から掲載していた風刺雑誌『ジンプリツィスィムス』の挿絵である。切り口が斬新でエスプリが利いており、ついニヤッとさせられる。
 同時開催の特別展『シャガール展』の混み具合に比べてこちらは閑散としているが、『シャガール展』のついでに20世紀初頭のパリの雰囲気にも脚を踏み入れてみてはいかがだろうか。

北海道立近代美術館HP

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。