『西村 和 作陶展』2013札幌三越ギャラリー

 にしむらなぎ。2013年10月15~21日。札幌三越本館9階三越ギャラリー。
 ここ数年この作家の作陶展にはなるべく顔を出すようにしているが、いつも新しい試みが見られる。今回なんといっても目を引くのは、赤と白の組み合わせが印象的な陶漆白釉の器たちである(西村のブログ参照)。陶漆は陶胎漆器のことで(ただし彼女は自分の作品を陶胎漆器とは呼ばない。以前聞いた話だと、おこがましいそうだ。私の聞き間違いかもしれないけれど)、陶器の上に漆を塗って仕上げた器である。今回の作品はこの陶漆に白い釉薬を合わせたものだ。上で張ったリンク先の写真はフリーカップであるが、酒次(さけつぎ)やぐい飲みなど、もうちょっと小さい作品のほうが引き締まった感じがして私は好きだった。この白釉の代わりに渋い光を放つ金釉を合わせた陶漆金釉のフリーカップもなかなかいい。
 今回見ていて感じたのは、茶道具が多くなってきたことと、陶漆作品が多かったことだ。抹茶茶碗も少なくとも6客はあった。陶漆でいえば鈍い銀色と黒を合わせた錫蒔陶漆香炉が目立っていた。ただの陶漆も内部から光を放っているような感じがして魅力があった。そういえば半円ではなく直線から成る青海波(せいがいは)の花入れは、朝日に反射した光のグラデーションを思わせ、文様とともに印象的だった。
 でもこの展覧会で一番気に入った作品は、作家さんには申し訳ない気もするのだが、木賊文(とくさもん)香炉である。縦に青みがかったストライプの入った香炉で、地の白にも少しにじみが感じられ、とても落ち着いた雰囲気を持っている。なぜ申し訳ない気がするかというと、昔からよくある陶器という感じがして、作家にとっては新しい試みではないと思われるからだ。でもこれは畳によく似合うと思う。
 上で紹介したもののほかにも、昔から手がけている象嵌作品や彩泥の器などもあったり、木工作家、村木昭彦による額とのコラボ作品(西村のブログ記事)があったりして、いろいろと楽しめる。お近くの人は是非。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。