『The beginning』絢香

 2012年。
 2年間の活動休止期間を経ての復帰アルバム。静かなピアノの旋律から始まる『はじまりのとき』は、まさに彼女にとっての「はじまり」でもある。それは4曲目の表題曲『The beginning』につながり、それがそのままアルバムタイトルにもなっている。「はじまり」とはつまり、このアルバムに込めた彼女の思いそのものなのだろう。すべての曲の作詞作曲に彼女自身が関わっており、このアルバム自体が自身による初プロデュース作品でもある。
 全体的にバランスがよく、ピアノの音と彼女の声との絡み合いが印象的な作品が多かった。歌い方も以前よりもずっとすっきりとしていて、無理のあるねっとり感がなくなり、聴きやすく感じた。アルバムの中ほどにある『繋がる心』だけがなんだか軽い感じで浮いているような気がしたが、前半と後半を区切る小休止なのだと考えると、これはこれでいいのかもしれない。ちょっとノリのいいポップな曲も、静かに聴かせる歌も、総じて好きな曲が多く、もうすでにしてこのアルバムは私のお気に入りの一枚である。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。