『Forward』Erik Mongrain

 2012年。エリック・モングレインによる3枚目のソロギターアルバム。
 タッピングやパーカッシブな音を絡めながらのアルバム最初の曲『Fearless』から、なんだか懐かしい感じがする。とてもマイケル・ヘッジス(Michael Hedges)的な感じがするのだ。もともと彼はヘッジス・フォロワーとして知られていたわけだけれど、初期の頃の超絶技巧的な演奏は少なくて、ゆったりとして陰のある雰囲気を醸し出している曲が多いところが、前よりもいっそうヘッジスっぽいなと感じさせるのだ。そう思いながら聴いていると、なんとこのアルバムの最後を締める曲がヘッジスの『The Happy Couple』のカヴァーである。原曲よりもキーは落としてあり、より抑制的な感じはするが、ほぼ完コピに近い。彼自身もじゅうぶんにヘッジスを意識してこのアルバムを作っているということだ。とはいえただ単に真似をしているというわけではなく、きちんと彼の中で昇華して新たな音楽を作り出しているのはもちろんである。メロディらしいメロディがないにもかかわらず、まとまったひとつの曲として感じさせるところがすごいと思う。アルバム全体から受ける落ち着いた印象が、今の私の心の空虚な部分を埋めてくれる感じがして、とても好きなアルバムである。

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shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。