『リキテックス大全』

 美術出版社。副題『アクリル絵具入門者から、スキルアップしたい人まで』。
 アクリル絵具の代名詞的存在であるリキテックス。そのリキテックスの使い方を紹介する本である。「活用編」と「技法編」の2部構成となっている。
 「活用編」では、村上隆、空山基、千住博といった第一線で活躍する13人のトップアーティストの創作術を紹介している。絵を描くときに、技術を完全に学習することは最低限必要なことだという人もいれば、いや、感性の赴くままに描けばいいという人まで、様々な考え方をする人がいておもしろい。作品も平面的なものから立体造形物まで幅広い。個人的には、網中いづる、松本陽子、津上みゆきの作品が好きだった(なぜかすべて女性というのは、単なる偶然であろう)。
 後半は「技法編」となっているものの、実際には技法を説明しているというよりは、リキテックスというものがどういうものか、絵を描くには何が必要かということを解説していると考えた方がいい。リキテックス絵具の特徴、カラー、絵具チューブのラベルの見方、色の作り方、絵を描く前の下準備としてのジェッソの種類と使い方、盛り上げたり薄くしたりするメディウムの紹介、テクスチャジェルの特徴と使い方、筆やパレットの話、どんなもの(紙とかコンクリートとか)に描けるのかという話。
 私はアクリル絵具を使ったことがなかったので、アクリル絵具が海のものとも山のものともつかなかった。どこから手をつけていいのかすらわからなかった。そんな私でも、この本を読んでアクリル絵具の全体像が見えてきた。まず何を購入すればいいのか、そんな初歩的なところからわかった。どんな絵を描けるのかについてのイメージは「活用編」で十分に広がった。そのうちいろいろと試してみよう。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。