『研究発表のためのスライドデザイン』宮野 公樹

 講談社ブルーバックス。副題『「わかりやすいスライド」作りのルール』。
 本書の内容は副題にあるとおりで、「見た瞬間に発表者の伝えたいことを理解でき」、「メッセージが自然と伝わってしまう」スライド作りを目指している。そのために必要なものとして、聴衆にわかりやすく伝えるための「考え方(姿勢)」と、スライドをわかりやすく見せるためのデザイン的な「技術」の2つを教えてくれる。図表がたくさん載っていて、駄目なパターン、よいパターンの比較も豊富で、この本自体がとてもわかりやすい。すごく目新しいものは特にないけれど、ついやってしまいがちな駄目パターンを見せられてハッとする。この本に載っているような「ルール」にきちんとしたがったスライドというのは意外と少ないかもしれない。私の専門周辺の人たちに限ったことかもしれないけれど。本書に載っているようなスライドばかりだったら、どんなにか聴衆の負担が減ることだろう。
 ただ残念な点を挙げるとすれば、アニメーションや動画をどう考えるかということがまったく触れられていないことだ。 この2つはうまく使いこなす自信がないので私はほとんど使わないのだけれど、これらを使ってわかりやすいスライドをつくるコツがあるのだとすれば、ちょっと手を出してみたい機能だったからだ。
 あとひとつ、ネット上のレビューでは「色覚異常者に対する配慮がなされていない」との批判があった。 このことについてあまり考えたことがなかったが、結構大事なことかもしれない。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。