『直感』ペッテリ・サリオラ

 2013年。『Through the Eyes of Others』Petteri Sariola。
 フィンランド出身のペッテリ・サリオラによるサード・アルバムは、全作カヴァーである。半数弱がギター・インストで、残りが歌ものになっている。
 実は前作『PHASES』(私の記事)を聴いたとき、もうペッテリ・サリオラはいいかな、と思っていた。そんな私がこのアルバムを買うことになったきっかけは、このアルバムにも入っているワム(Wham!)のカヴァー『Wake Me Up Before You Go-Go』をYouTube(こちら)で観たことによる(アンディ・マッキー(Andy McKee)がFacebookで紹介していた)。これがすごくいいのだ。パーカッシヴなスラム奏法を駆使して鮮やかにアレンジしている。途中ちょっとメロディを変えているところもまたいい。これを聴いて、もっと聴きたいと思った。
 それで購入に至ったわけだが、実際にこのアルバムをスピーカーから流してみると、いろいろと突っ込みどころが満載で戸惑った。スラム奏法と全体を覆うグルーヴ感は共通している。でも個々の楽曲の選曲、アレンジがよくわからないものが少々ある。
 まずは気に入ったものから紹介すると、上記の『Wake Me Up Before You Go-Go』のほか、ノリのいいU2の『終りなき旅』(I Still Haven’t Found What I’m Looking For)、きれいで洗練した感じのColdplayの『Fix You』、グルーヴィーなOasisの『Wonderwall』、エレキでガンガン飛ばして歌も入るCharの『Smoky』、ひょうきんな感じもするThe Commodoresの『Easy』、デジタルロック風なMuddy Watersの『Hoochie Coochie Man』あたり。
 ちょっと評価しにくいのもいくつかあって、『ルパン三世のテーマ’78』くらいまではアルバムの雰囲気をあまり壊していないと思うけれど、『もののけ姫』になるとあまり馴染んでいない気がする(アレンジは好きなんですが)。The Beatlesの『Blackbird』、押尾コータローの『翼~you are the HERO~』、Michael Hedgesの『Bensusan』は、あまりにも原曲に寄り添いすぎて、ここだけ違うアーティストのアルバムみたいになっている。ギターはとてもうまいのですが。あと、電子音楽的な『ボレロ』もあまり好きになれなかった。
 全体的な印象は「ごった煮」なのである。それぞれの楽曲はいいなと思えるものもあるのに、アルバム全体でみるとちょっとばらばらな感じがする。まあ、「飽きさせない」という言い方もできるのですが。YouTubeは観ておいて損はないと思う。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。