『7日間でマスターする配色基礎講座』

 視覚デザイン研究所編。
 「DESIGN BEGINNER SERIES」とあるとおり、初心者向けの配色講座である。難しい専門用語は出てこない。とはいっても、私にとって理解の難しい単語は当然ある。例えば「トーン」。「トーン」とは「三属性(色相、明度、彩度)のうちの明度と彩度の交差した部分」のことであるが、ゆっくり考えると頭でわかったような気になるとはいえ、直観的には理解できない。「五役色(主役色、脇役色、支配色、融合色、アクセント色)」の違いも、すんなりとは頭に入ってこなかった。「十役色」というのもあるようで、そうなると私にはまったく手の出ないものになったであろう。
 本の内容とはあまり関係ないことから入ってしまった。この本では、モノ(色)を引き立てたり馴染ませたりするには具体的にどんな配色にすればいいか、そしてそれを発展させて、特定のイメージを伝えるためにはどんな配色を心がければいいのかということについて、書かれている。実際の広告、カタログ、写真などの豊富な実例をもとに、違う配色だったときとのパターンと本物のイメージを比べて解説してくれており、とてもわかりやすい。年齢や性差、温度による配色の違い、カジュアルさ、エレガントさ、自然らしさを表すにはどうすればいいのかなど、実例を見せられると、なるほどと頷いてしまう。特定のイメージをきちんと他人に伝えるためには、適当な色遣いをしていては駄目なんだということがよくわかる。
 ただ、それを実際に自分が表現する立場になったときにうまく使いこなせるかどうかは別である。いろいろと試行錯誤しながら自分でも手を動かしてみる必要はあるだろう。そのための基礎体力作りとして、この本は役に立つ。「色は無言のうちにメッセージを伝えるのであなどれない」との言葉が心に残る。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。