『まちモジ』小林 章

 グラフィック社。副題『日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』。
 世界中の街角で見られる「文字」が、たくさんの写真とともに紹介されている。それは道路標識だったりレストランの看板だったり消防車やバスに書かれている文字だったり、実に様々だ。国も日本は当然のこと、アメリカ、フランス、ドイツ、アルゼンチン、タイ、香港など、多岐にわたっている。ほとんどのページが写真で埋められており、言葉でくどくど説明するよりも、まずたくさんの実例を見てわかってよ、という感じだ。
 そういえば街にあふれている「文字」は、きちんとフォント名のついた書体はもちろんあるんだけど、手書き看板のような手で書いた文字もたくさんあるんだな、ということに改めて気がつかされた。そして手書きの味みたいなものも厳然としてそこにあって、それは私にとっては発見だった。著者もきっとそんなところを読者に知ってもらいたかったのだろうと思う。著者の足は看板職人のもとへも向かう。
 もちろんきちんと名前のついたフォントの話もたくさんある。例えば「Frutiger」とか「Futura」とか「Optima」とかを使った「まちモジ」の話など。街のなかには本当にさまざまな書体が使われているんだということを感じる。最後の方には「まちモジ」とは直接の関係のないフォント自体の話もちょっと出てくるけれど、それは本書にとっては「余分」なんだと思う。これはこれで読んでいておもしろいのだけれど。
 これからは、外に出たら看板の文字が気になりだしそうな予感。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。