日本文芸社。副題『文字デザインの基礎から創作まで』。
そういえば文字に興味があるくせにレタリングの本は読んだことがなかったなと思い、古本で購入してみた。レタリングといえば中学校の美術の時間にやって以来だ。
字種や書体の話、レタリングの実際の工程、スペーシングの話など、大まかではあるけれどひととおりのことが書いてある。日本語では明朝体とゴシック体、欧文ではサンセリフ体とセリフ体を主に扱っている。ロゴデザインの話もちょっと書いてあったりする。
全体的にそんなに深い話は書いていないけれど、明朝体の横画を隠しても、つまり縦画とウロコ(横画の右端にある三角形の止め)だけあれば、文字はだいたい認識できるということがおもしろかった。欧文のレタリングで、Helvetica mediumとBauer Bodoni Boldの割出図が掲載されているが、直線と円弧だけからなるそれらの文字には、少しばかり違和感を覚えた。レタリングではそうやって書くのかもしれないけれど。