第28回(H26年度)日本シェーグレン症候群患者の会総会ほか

 平成26年3月29日(土)。第一三共株式会社東京支店会議室にて。
 前半に日本シェーグレン症候群患者の会総会をやって、そのあとにNPO法人シェーグレンの会講演会が行われた。なぜか二つの会が入り混じって今回の総会と講演会を開催するという形を取っているので、ややこしいことになっている。そのことについて会場でも説明があったのだが、よくはわからなかった。ただ、参加してみて運営などをみてみると、NPO法人にはなってみたものの、まだ会としての体裁がきちんと整えられていないとの印象を受けた。今後に期待したい。
 患者の会総会は特に記事にするようなこともなかったので、講演会について印象に残ったことだけをまとめたい。いつものことだが、トピックの選択は私の独断と偏見に満ちた興味による。また、私の理解不足のせいで嘘を書いてしまっているかもしれない。
 また、当日の映像はUstreamによって配信されている(こちら)。

○「ためになるお話~基礎医学者の立場から~」徳島大学大学院、石丸直澄先生
 10分ほどの短いお話だったが、テンポよく会場を引き込んでいた。
・おしゃべりは虫歯が少ない。
・マウスの胸腺を生後3日で摘出すると、シェーグレン症候群マウスができる(T細胞が教育されなくなるから)。
・女性ホルモン(エストロゲン)が低下してくる年代に患者数も増えてくるので、シェーグレン症候群と女性ホルモンは関係があるのではないか。ただしそうでない患者もいるので、一概にはいえないだろうとの意見が会場からは出ていた。
○「シェーグレンと共に(6)~SS研究の動向と治療~」久藤総合病院、菅井進先生
 もう6回目の講演になるんだなと思いつつ聴講。
・シェーグレン症候群とミクリッツ病とIgG4関連疾患との関係(しばしばこの3者は混同される)について説明してくれたが、私にはついていけず。
・患者の負担軽減から、唾液腺MRIが今後増えていくのではないか。
・ドライアイの治療薬として近年ジクアスとムコスタが出てきたが、それまでは涙の成分を補えばよいとの観点から作られていた過去の目薬と違い、涙を作る作用機序にも働きかけるという新しい観点があり、方向性が異なっている。
・全身療法として、日本では適用になっていないが、抗CD20抗体(リツキサン)の点滴が効果があるとの報告がある。
・唾液が出ないんだったら水でも飲んでおけばいい、という人がいるが、そんな簡単な話ではない。
・万人に勧める方法ではないと断りつつ、歯茎の指マッサージの試みについて説明してくれた。注意点として、歯肉と歯の境目付近はやってはいけない。
○「歯ぐきの病気とシェーグレン症候群」日本大学松戸歯学部、遠藤弘康先生
 シェーグレンとの関連は微妙だったが、役に立つ話だった。
・一般に歯周病や歯槽膿漏と呼ばれている病気は、歯医者は歯肉炎と歯周病とに厳密に分けて考えている。歯を抜いたりするのは歯周炎である。
・シェーグレン症候群の患者が歯周炎になりやすいかどうかについては、意見が分かれている。
・歯の磨きすぎで歯周炎になるケースは少なくはない。
・歯磨き粉の刺激で歯茎が赤くなることがある。
・すべての虫歯を治療する必要はない。
○「眼科医からみたドライアイとその治療」日本大学医学部、庄司純先生
 ドライアイとは何かについて、初めて知ることが多かった。
・マイボーム腺は脂質を分泌し、ゴブレット細胞はムチンを分泌する。
・マイボーム腺は年齢により萎縮する。
・シェーグレンの人はゴブレット細胞が減少する。
・涙の働きは、1.表面を平滑にする。2.乾燥を防ぐ。3.酸素や栄養を運ぶ。4.異物を取り除く。
・ムチンの働きは、1.保湿。2.光学的安定性。3.生体防御(異物を絡め取り体外に排出)。
・目が乾く原因は、1.全身疾患。2.眼疾患。3.環境。
・診察において、眼の不快感や見えにくさといった症状と検査結果は必ずしもリンクしない。
・患者は、乾燥感のあることがドライアイだと思っているが、医者は、乾燥感は充血のサインだと見なしている。つまり、乾燥感はドライアイの症状ではない。
・自覚症状の測定方法として、VAS、ドライアイチェックシート、フェイスシート、(QOL調査票として)DEQSを挙げていた。また、機会があればこれらの検査を受けてみるように勧めていた。
・ドライアイについての日本と欧米の考え方はちょっと違う。日本は乾燥ということに重きを置き、保湿という対策を取るのに対し、欧米では炎症に注目して消炎という対策を取る。しかし乾燥と炎症は互いに関連し合っているので同じことである。
・目薬にも欠点があるので、目薬を何も考えずに差していればいいというものでもない。
・目薬の種類や差し方は「シンプル・イズ・ベスト」だと思う。あまり多種類でない方がいいだろう。
・患者参画型診療が大切である。

 以上、まとまりはないが、私はこんなことに興味を持って聴いた。シェーグレン症候群の有効な治療法が見つかるといいなと思う。根本治療が一番だけれど、対症療法であってもいいのだと思う。また来年の総会を楽しみにしつつ。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。