『コード作曲法~藤巻メソッド~』藤巻 浩

 ヤマハミュージックメディア。
 白状すると、私は「作曲」という言葉がどういう意味の言葉なのかがわからない。だからコード作曲法が、コードで作曲する方法なのか、コードを使って作曲する方法なのか、コードを作曲する方法なのか、はたまたそれらのどれでもないのか、実はわかっていない。でもいくつか言えることがある。それは、この本を読むと(あるいは(後に述べるように)聞くと)、コードの仕組みがよくわかる。コード進行がよくわかる。転調の仕組みもちょっとわかる。もしかすると自分で曲に自由にコード付けできるようになる。なんだかすごい本ではないか。
 この本の特徴のひとつになっているのが、付属DVDに収められている音声番組である。本文がそのままの内容で、本文以上にわかりやすく、著者本人が音声で解説してくれている。言葉だけではなく、ピアノ等で実際にコードを弾いてくれたり、曲を流してくれたり、本当にその場で講義を聴いているように音楽を学ぶことができる。ちょっとペースが速すぎて初心の私にはついていけなくなってしまうこともたまにあるけれど、そのときはまた聞き直せばいい。本に載っている楽譜などの図を見ながらの音声解説は実にいい。
 本全体の構成は、前半でコードの基本的な解説をしたあとに、後半でクラシック数曲をアナリーゼしている。サティの『ジュ・トゥ・ヴ』、ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』のアナリーゼに入る前には、読者自身がコードの入っていない譜面にコードを書き入れるという演習もあり、力になる。
 おそらくは中級者以上の人を対象としており、私には高度だけれど、いい本だと思う。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。