『Typographic Systems』Kimberly Elam

 BNNデザインブックス。キンバリー・イーラム。今井ゆう子訳。副題『美しい文字レイアウト、8つのシステム』。
 タイポグラフィのデザイン・システムを、8つの類型に分けて解説している。そのシステムとは、中軸、放射、拡張、ランダム、グリッド、転調、モジュール、左右対称の8つである。著者は、多くのデザイナーはグリッド・システムを使うことが多く、ほかのシステムの可能性に気づいていないという。なるほど確かにグリッド・システムを使っているデザインは多く、ほかのデザイン・システムを見るとちょっとびっくりしてしまうかもしれないと思った。8つのシステムとはいってもそれらは完全に独立しているわけではなく、グリッドとモジュールが合わさってみたり、中軸と左右対称が合わさってみたりと、互いに関連している。でもこれらのシステムを学ぶことで、デザインを体系化して自分のものにできるということは言える。ただ何となくCDジャケットを見るのと、体系化された類型に当てはめながら見るのとでは、得られるものはまったく違ったものになる。
 本書ではそれらのシステムごとに、著名なデザインをいくつかと、学生たちが試行錯誤しながら作り上げたデザインを多数掲載し、そのシステムにおけるデザインの可能性を示してくれる。中にはそのデザインはないだろうというものもあるが、それもまた可能性のひとつなのだろう。可能性の芽を潰してしまってはいけない。
 ほとんどのページが図版で占められているので、アイディアに詰まったときにこの本をパラパラとめくっているだけでよい解決策が浮かんでくるような気がする。もちろんタイポグラフィ・デザインを体系的に学ぶのにこそよい本なのではあるが。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。