『問題解決のためのデータ分析』齋藤 健太

 クロスメディア・パブリッシング。
 ビジネスにおいてデータ分析をどう生かすかについて、ABC分析や損益分岐点分析、RFM分析などを使って解説している。実際に具体例を示して、どういう考えにしたがってどんな風にデータ分析をしたら問題解決に至るかということが書かれているので、わかりやすくはある。実例が多いので、参考になるところも多いかもしれない。ほとんどの分析はエクセルを使ってできるようになっており、巻末にはエクセルの機能(vlookup、ピボットテーブル、ソルバー)の解説もついている。
 確かにこの本の中では分析はうまくいっている。考え方も悪くはない。でも、腑に落ちないところもある。データだけでは導き出せない結論(仮説)が述べられていたりするのだ。それは著者の長年の経験だったり勘だったりするのだろうと思う。その結論(仮説)はおそらくは間違ってはいない。最後にはデータにより裏付けられているからだ。ただ、その仮説を導き出すには相当の能力が必要となると思うのだ。誰でもできるわけではない。そこのところをこの本ではうまく逃げているので(そこのところが書かれていないので)、これを読むとなんだか自分でも簡単にできるんじゃないかと思わされてしまう。実際には違うのに。
 本書を読んだら実際のデータを使って試行錯誤してみるといいのだと思う。そのうちに著者のような分析の勘みたいなものが自然と備わってきて、無駄の少ない的確な分析ができるようになるんだと思う。そんなゴールを想像できるようにしてくれる本なのかもしれない。
 ただ、今書いたことと矛盾するかもしれないけれど、これくらいの分析は普通の企業だったらとっくにしてると思う。個人事業主とかはなかなかここまで手は回らないかもしれないけれど。それとも大きな会社でも意外とやられてないのかなあ。よくわからないです。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。