『PANDORA』押尾コータロー

 2014年。ソロギター・アルバム。3年半ぶり。
 正直なところ、はじめ聴いたときはすんなりとはこのアルバムに入り込めなかった。何だか全体的にキラキラした音でリバーブも効き過ぎているような気がしたし、ちょっと単調な気もした(『キラキラ』という曲が収録されているが、この曲のせいでキラキラ聞こえるわけではない)。
 でもよく聴いてみるとジャカジャカ弾きながらメロディを奏でているものもあれば、しっとりと聴かせるものもあり、決して単調なアルバムではない。『亡き王女のためのパヴァーヌ』のようなクラシックの曲もあるし、日曜日のビール系の『いつか君と』みたいなウキウキするような曲もある。ジャカジャカ弾くものでは『彼方へ』なんかもいいかもしれない。
 ただ、ギターのストロークがあまりきれいな音に聞こえない。初期のアルバムに比べると明らかにギターはうまくなっているのに、なぜそう聞こえるんだろう。曲にしても、よく言われることではあるけれど、デビューの頃のような魅力があまり感じられない。押尾コータローのアルバムで一番よく聴くのは、インディーズのときの『押尾コータロー』と『Love Strings』だというのは、押尾には悪いけれど、事実なのだ。
 とはいえ、このアルバムの中にも好きな曲はある。落ち着いていてしっとりとしたバラードである『星の贈り物』と『美しき人生』、そしてフルアコで弾いたみたいな音のジャズテイストの強い『Marble』だ。もしかすると年をとると激しめの曲にはついていけなくなるのかもしれない。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。