『klavierraum』Henning Schmiedt

 2008年。ヘニング・シュミート。
 ころころとしたピアノの音が部屋の中で転がる。散らばったかと思うとまた集まって、そしてまたどこかに散らばって。それに寄り添うようにシンセの音がすべてをまとめる。静かな、でもなにかが進んでいくような。それはただの時間の流れに過ぎないのかもしれないけれど。
 このアルバムは、妊娠中の妻が暑い夏を心地よく過ごせるようにと作ったという。そう聞くと何だか涼しげな感じがしてくる。アルバムの裏面の「命のために」とは、生まれ来る子供のことなのだろう。15曲のタイトルが楽しい。小麦粉240g、砂糖20g、混合粉茶さじ3杯、塩茶さじ2分の1杯、バター110g、卵1個。一体何のレシピなんだろう。紅茶は?皿は?椅子!君と僕。ピ・ア・ノ・域。こんにちは。
 聞き終わったCDを取り出す。___あっ、これを作ってたんだ。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。