『アーティストのための美術解剖学』ヴァレリー・L・ウィンスロゥ

 マール社。Valerie L. Winslow。宮永美知代 訳・監修。副題『デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に』。
 全身の骨格、筋肉、腱、靱帯などについて、詳細で豊富なイラストと解説で説明している。骨の構造はどうなっていて、筋肉は骨のどの部分に接続してどのように運動するか。それによって人の体がどのように動くのかがよくわかる。すべての骨や筋肉を網羅しているわけではないが、体表に現れる人体の形に影響のある部分はほぼすべてカヴァーしているんだと思う。私には十分すぎるくらい詳しい。図版はカラーなので、とてもわかりやすい。 専門用語がたくさん出てくるので読むのは大変だけれど、丁寧に読み進めれば理解できる。ただ、本当に自分のものにするには、たまに見返してみる必要はありそう。1回読んだだけですべてを覚えられるほど簡単ではない。
 解剖学についてだけではなく、実際に人物を描く時に役立つ情報も書いてある。体表に現れるどの部分に注目すればよいか。全身を描く時にどう全体のバランスをつければよいか、など。美術解剖学についての本は、私自身に関して言えば、これ1冊あれば十分なほどの内容である。ただひとつだけ注文をつけるとすれば、実際の人物の体表に現れる膨らみやへこみが、どの骨や筋肉の膨らみによるものなのかが少しわかりづらい部分もあったので、そこについてもう少し詳しく書いてもらえれば嬉しかった。きちんと読み込めば、ちゃんと本書で触れられてはいるのだけれど。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。