『人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか』野崎 昭弘

 ブックマン社。副題『数学者が教える「間違い」を生かすヒント』。
 テスト問題の解答、仕事上の不手際みたいなものから、戦争への参加といったものまで、著者は幅広く「間違い」というものを捉えている。それらの間違いはどうして起こるのか。そもそも間違いは悪いことなのか。そんなことをやさしく丁寧に教えてくれる。例えば人間を「落雷型」「猫のお化粧型」「めだかの学校型」など7つのタイプに分け、それぞれの思考法が陥りやすい間違いを指摘し、それらにどう対応すればよいのか解説している。また、「間違えること」の意義や、「間違い」から何を学ぶかなんてことも書いている。
 小難しいことは書いていなくて、気軽に読める本である。ただ、あまりしっかりとした論拠をもって「間違い」について論じた本ではない。「数学者が教える」といいつつも、内容は数学とはほとんど関係がなく、著者が数学者である必要性はまったく感じない。そこがちょっと物足りない。こういうタイトルを掲げるのであれば、「間違い」に対する著者の考え方だけじゃなくて、脳科学的にみるとこうだとか心理学的にみるとこうだとか、きちんとした根拠をもって書いてほしかった。本書をエッセイとして読むのなら別にいいのですが。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。

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