『「社会調査」のウソ』谷岡 一郎

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 文春新書。副題『リサーチ・リテラシーのすすめ』。
 世の中には社会調査があふれている。新聞や雑誌などのマスコミによるもの、大学などの研究者によるもの、社会運動グループによるもの、官公庁などの役所によるもの等々。ところが著者が言うには、その中の過半数がゴミ(ずさんな調査)なのだという。そしてそれらのゴミに対して、実名を挙げて情け容赦ない批判を繰り広げる。この本はとても刺激的だ。しかし、著者はただゴミをなくしたいだけなのだ。だからゴミが出るメカニズムを分析し、どうやったらゴミを減らせるのか考察し、さらにはゴミときちんとした調査とをどうやったら見分けることができるのかということについて解説する。
 選挙報道、食物と癌の関係、少年犯罪の推移……。そんなさまざまな調査報道を、私たちはなんの疑問も抱くことなしに鵜呑みにしていないだろうか。私たちは知らず知らずのうちに嘘の情報をすり込まれているかもしれない。本書はそんな読者の目を覚ます啓蒙の書でもある。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。