『データはウソをつく』谷岡 一郎

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 ちくまプリマ-新書。副題『科学的な社会調査の方法』。
 著者は以前『「社会調査」のウソ』私の記事)という本を書き、その中でアンケートや調査でやってはいけないことをこれでもかというくらいズバズバと指摘していた。本書はいわばその続編で、やってはいけないことはわかったから、ではどうすればいいのか、ということを書いた本である。
 前書ほど言いたい放題という感じはしないけれど、それでも鋭い指摘を随所に織り込んでいる。非科学的な社会調査に対する態度は厳しい。その上で科学的な社会調査をするにはどういう手順を踏んでどういうことに気をつけておかなければならないのかを解説する。アンケートの質問票の作り方だとか、その結果の解析の仕方だとかを、たまに毒を入れながらもやさしく説明している。時折交じるいしいひさいちの4コマ漫画がいい息抜きにもなる(この漫画自体毒を含んでいるが、思わずニヤッとさせるところがにくい)。
 前書と併せて読むと、社会調査の入門という点でいいかもしれない。ただ、内容的にはちょっと物足りない気がした。科学とは何かということや社会科学の方法論など、もう少し突っ込んでもよかったのではないかと思う。何だか伝えたいことを端折っている感があった。実際に社会調査を行う予定の人は、違う専門書にも当たっておいた方がいいだろう(当たり前のことかもしれないけれど)。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。