『科学ジャーナリストの手法』日本科学技術ジャーナリスト会議編

 化学同人。副題『プロから学ぶ七つの仕事術』。
 新聞やテレビ、雑誌などで科学記事を書いている科学記者あるいは科学ジャーナリスト。彼らがどのように科学に関するネタを記事にしているか、その手法についてまとめている。科学ジャーナリストによる座談会の様子から始まり、資料、情報を集めるコツや文章化の構想、文章作法13箇条、専門家とのつきあい方、科学ジャーナリストに求められる社会的責任など、広い観点から彼らの仕事術を追っていく。取材での注意点などは、ふだん記者をしているわけでもない私からすると新鮮な話題で、読んでいて楽しい。
 実は私はちょっと勘違いしていて、科学ジャーナリストと聞いて、てっきり科学に関する書籍を書いている科学ライターのことだと思っていた。でも本書を読むと、本当は彼らの中心は書籍を書いている人なのではなく、記者たちなのだという印象を持った。 この本のほとんどは彼らが科学記事を書くときにどういう手法を用いているかについて述べている。そういった私の中でのズレはあったけれど、科学ジャーナリストの概要がわかりやすく書かれているのはよかった。科学ジャーナリストになるのに文系理系はあまり関係がなくて、彼らの主要な役割は、社会的問題意識をきちんと持った上で、どのように一般市民に対して科学を伝えるかということにあるのだということがよくわかった。そのときの立ち位置はとても重要で、記事の書き方いかんでは記事の内容がプラスにもマイナスにも取られうるのだ。
 私は科学ジャーナリストではないけれど、ブログやSNSで記事を書くときには、本書に書かれている内容に留意して発信したい。

shizukiaki

札幌で絵やイラストを描いています。音楽や読書も好きなので、ブログではいろいろなジャンルの投稿をしています。